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レコーディング無事終了
体調不良と年度末の多忙につき久しぶりの投稿です。
先日、行ったレコーディング。
実は、フランスで弾くはずだった本番。
1年前に、契約書にサインしたときは、まだ、「1年後にはパンデミックも終わり、以前のように往来できる」というあちら側の見解と意見であった。
私は、正直、そうは思ってなかったので、交渉しながら、なんだか、ふわふわした夢の話をしている気分だったのだ。
あちらとしては、焦っていたのだ。
共演者や主催側も生活がかかっているため必死である。(日本よりも仕事があるため、共演者も演奏だけで生活しているから必死だ。)
私の思った通り、1年経っても状況はあまり変わらない。
おそらく、しばらく続くであろうと推測している。
そこで、主催側も、ヴァイオリニストの意見(代役を立てるのでなくどうしても私と弾きたいという意思)を尊重し、私(ピアノ)の部分はレコーディングし、それを流して大学の授業内で演奏する、という決断に。
旅費や飛行機代も浮くためコスパもいい。私の時短にもなる。
新しい働き方改革というものに、賛否両論はあっても、適応能力というのは時代とともに必要なのだと実感する。
新しい形に気づけることの大切さ
先日イベントコンサートに招待出演した際、やっぱり生演奏。という意見も頂く。
執筆本に、パンデミック後でも別の形で仕事が増加、満席教室にした方法について述べさせていただいたが、咄嗟に行動に移せるか、移せないかという判断力というのは、これからの時代必要であると思っている。
パンデミック前までは、年に数回、USやヨーロッパ遠征で演奏活動をしていたのに、この事態で全てキャンセル。それでも、日本で行われた大ホール1000人コンサートを満席にし、本も出版。
「できるときに、できる形で、できることを。」
賛否両論あったとしても、信念というものがそこにあれば、おのずと結果もついてくる。
当時、クラシックピアニスト専門だった私が、ポップスの編曲をして批判の意見も頂いた。音楽に国境やジャンルをつけて差別する人は、音楽を愛していないのだろう。
パンデミックになり、咄嗟の正しい判断力で、新しい働き方改革ができた人と、できなかった人によって、また二極化したのではないかと思う。
一辺倒なものの見方や考え方では、これからの時代生きていけないであろう。
今年のメッセージにある「亀裂」には、そのような、二極化にさらに開きが出るであろうと予測する。
生きていくための、率直に言うと「お金」が欲しいのであれば、プライドは一旦捨てて「知恵」と「感」も必要である。
詳しくは本にすべて書いてますのでお手に取っていただけたらうれしいです。
適応能力の知恵は祖母から
戦前、東京で開業医をする祖父の片腕として、又、第一次、太平洋戦争、戦時中も戦士の手当をしてきた、軍医中将(ちゅうじょう)であった祖父からの時代を日本赤十字看護婦として生きた祖母。
話の内容は壮絶である。
私はそんな話を聞いて育って、沢山の生きる知恵を伝授頂いた。
東京大空襲で、やけどの跡がある母。
祖母の咄嗟の正しい判断力がなければ、今の私はいない。
生々しいので、これ以降の文は、苦手、お嫌な方は読まないでいただきたい。
苦しくて川が冷たいと思って、飛び込んだら熱湯で、ボイルされた人で埋め尽くされたという生々しい話もある。
錦糸町の駅前は2階建ての高さまでわからないご遺体が山積みになっていたという。
祖母は、火が押し寄せてくる方向に向かって逃げた。
皆、向かってくる火を逃げて間に合わず助からなかったのだが、風の方向に火が回っていたので、一瞬を越えれば助かると咄嗟の判断をし、風が来る火のある方へ突っ込んで助かったそうだ。
「注意一秒ケガ一生」というが、万が一の際は財産やお財布を取っている時間があったら、逃げろ。と、教えてくれた。
昔、実家の千葉で、プロバンガスを積んだトラックが、家の前で突っ込んで、ガス管がコロコロと転がる音がしたことがある。母は、「見に行かない!行くよ!」といって、裸足で、私と兄を連れてなるべく事故現場から遠ざかる方向に飛び出した。
おそらく、もしも爆発し、靴を履いていたら間に合わなかっただろう。
その、判断力とタイミングの速さには度肝を抜いた。
たくさんの野次馬が、見に出てきたそうだが、事件に巻き込まれることもある。
「お金が無くなっても命さえあればなんとかなる」という知恵は、私をフレキシブルな対応力のある女性に育ててくれたと感謝している。
、もし、皆さんの周りに意地悪な意見を言う人がいても全く動じないでください。
そういう人に対しては反応せず
「見ざる。言わざる。聞かざる」
自分に信念があれば、二極化する困難な時代にも生きていけると信念を持つことです。
パンデミックになって、母が「全く怖くもなんともない」と、言っていたのですが、私たちは生きているのではなく生かせていただいているとわかっていれば、おのずと恐怖は持たずに済みます。
余談ですが、海外公演でウィーンに行ったのですが、ステファン大聖堂の地下に、留学時代行ったので入るかと母に聞いたら、母は嫌だと言いました。
地下にはペストの大流行で、流行を止めるために一斉に焼いた骨があります。
残して伝えることは大切ですが、そういう人災経験者には見たくもないものなのでしょう。